9月1日は防災の日です。備えあれば患いなし。今一度、この期に災害への備えは万全にしていきたいですね。
さて、いつ起きても不思議ではない東海地震。静岡含め東海地域に住む人たちにとっては切実な問題ですね。特に沿岸部に暮らしていると津波の被害が脅威となります。
静岡県沼津市にある駿河湾に接した沼津港は、新鮮な魚介類を扱う市場や商店が集う観光スポットとしても人気で県内外から多くの観光客が訪れます。もし万が一東海地震が発生した場合、5分程で沼津港に津波が到達すると想定されています。
そのような時に、沼津港大型展望水門「びゅうお」が迫りくる津波を堰き止める門番の役割を果たします。
日本最大級の規模を誇る水門
この「びゅうお」こと沼津港航路水門は、東海地震などに予想される津波から沼津市民の生命と財産を守るために、9年の歳月をかけ平成16年9月に完成されました。
水門は沼津港の外港と内港を結ぶ航路上に位置し、航路をまたぐ扉体は、幅40m、高さ9.3m、重量406tとなっています。設備の全体重量は923tとなり、水門として日本最大級の規模となります。
展望回廊から見た外港の様子
展望回廊から見た内港の様子
遠方監視装置による状況監視
「びゅうお」と沼津土木事務所の間は、NTT専用回線によって接続されているため、遠方監視装置による水門と周辺の状況監視が可能となっています。
迫り来る津波に備え5分で水門閉鎖完了
水門周辺には3台の感震器が設置されていて、地震が発生した際、3台のうち2台が震度5強以上の揺れを感知した場合に水門が自動的に降下するようになっています。
また、突然の電力停止に備え、蓄電装置と自家発電装置を設置し、自家発電に切り替わるまでのタイムラグをなくす工夫も施されているのです。
降下開始から5分でゲートが完全に閉まります。
こちらが閉門した完全防御態勢のびゅうお!
展望施設として人気の観光スポット
夜になるとライトアップされ幻想的な佇まいとなるびゅうお。
地上約30mに位置する展望回廊からは、愛鷹山、富士山、南アルプス、東西南北360度の展望を楽しめますよ。
狩野川河口付近から見えるびゅうお。沼津市民にとって、いざという時頼りになる存在です。