世界初の「木の酒」2年後にも登場 桜、白樺など芳醇な香り
5月10日の産経新聞にて「木の酒」が取り上げられ、2022年に販売を目指すのことです。
楽しみですね!
木を原料にしてお酒を造るプロジェクトは
茨城県つくば市の森林総合研究所さんが、木材からアルコール発酵する技術に成功
として2018年4月に発表されていました。
私たちが暮らすこの日本は木がたくさん生えてる国です。
国の面積の3分の2を森林が占めている事を考えると、まさに木から造るお酒は「新たな日本酒」の誕生として期待できるのではないでしょうか!?
さて、古今東西、人類は色んな物を原料にしてお酒を造ってきました。蜂蜜、ブドウから始まり
麦、トウモロコシ、米、リンゴ、サトウキビ、あらゆるものを材料にしてきました。
木の糖分「セルロース」
でも、木そのものを使ってお酒を造るということは出来ませんでした。
では何故、木からお酒を造れなかったのでしょうか?
そもそも、まずお酒を造るには
原材料の糖分に酵母を加え発酵させることによってアルコールに変化させます。
つまり糖分があればお酒になるのです。そして、もちろん木の中にもしっかり糖分は存在していて
その糖分となっているのが木の主要成分であるセルロースです。
でも、木って触ってみると結構固いですよね?そう、セルロースは細胞壁であるリグニンに守られていて
そう簡単に取り出すことは出来ない。
いや、もうすでに、熱を加えたり薬を使えばセルロースを取り出すことは出来るのです。
その方法で、木材から燃料アルコールを製造する技術は開発されています。
でも、熱を加えちゃうと木の香りもなくなっちゃうし、薬品を使ったら飲むことも出来ない。
そんな中、熱も薬も使わず木からセルロースを取り出す技術が
森林総合研究所さんが、開発した「湿式ミリング処理」です。
湿式ミリング処理とは
樹皮を除いた木材を天然水に入れて、直径2ミリ程のセラミック球を混ぜて
かき混ぜることによって、細胞壁からセルロースを取り出す方法となります。
そして、取り出したセルロースの糖分に酵母を加えてアルコール発酵させて
アルコール度約2%のお酒が出来上がりました!!
でも、この原液のままだと木の渋みが強すぎるので、2回程蒸留して渋みをなくしました。
そして、蒸留したことによって、アルコール度数も焼酎をウィスキーの間くらいまで高まりました。
木々の風味
味わいのほうは、
「材の香りからは想像できないような甘く熟した芳醇な香りを感じる」
との事で、ウィスキーの味にも近いのでしょう。
ウィスキーは長い間、樽の中で貯蔵されているのでウィスキーの風味は
木の成分が多く含まれているので納得ですね。